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―​ ビー玉世界と社会を繋げる ―

TEDxとは「価値あるアイデアを広める」という精神に基づいたプログラムである。

毎年全国各地で行われており、札幌も2012年から北翔大学で開催されている。

2024年10月“多彩な個性を放つスピーカー”の一人に選ばれ、登壇する事となった。

​「おもちゃ作家」として届けられる全てを15分間のスピーチに想いを込めた。

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​おもちゃ作家になることが本当に出来るのか。揺れ続けた20代の葛藤。

 専門学校を卒業後、保育士として働く日々の中で5歳児の男の子に空き箱を手渡されて「ビー玉の迷路」を作ったことがキッカケで、少しずつ木のおもちゃとビー玉を組み合わせたおもちゃ作りを続ける20代。自分が作ったものが誰かに喜んでもらえることがただ嬉しかった。保育士の仕事を一度辞めて作家の道を志すが、自分の夢描いた「アトリエ」までの道のりがとても長いことは直感的に分かっていた。だから、まず屋号を「ビー玉と木のおもちゃ アトリエマーブル」として、屋号の中にアトリエを入れ込み、願掛けをする。自分がアトリエをいつか持ちおもちゃ作家として活躍する、、そんなブレていかない為の一つの道しるべとした。そして、その後旭川へ行き家具作りを学びながら“ビー玉世界”を自分の中へ落とし込んでいく日々が始まる。

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非日常的な体験と日常的な生活を
繋げる心が軽くなる場所

 念願のアトリエを起業してから2年後。​アトリエで日々を過ごす中でお客さんから「非日常的な体験でとても楽しかった!」と嬉しい声を聞くことも多くなる。だが、一方で自分が作りあげてきた非日常的な体験が味わえる空間は、単に一過性で終わってしまう“ただのエンタメとして消費されてしまうのではないか”という危機感と虚無感を覚える。自分が描いてきた夢のアトリエはそういう場所で良いのだろうか。そうした想いから日常とリンクする工作芸術空間”アートギャラリー”をアトリエのガレージを改装して立ち上げた。そして、その中でアトリエが学校でもなく、家庭でもない、第3の場所として社会と繋がっている自覚を持つようになっていく。

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​進化するアトリエとして
誰もが何度訪れても楽しめるアトリエへ

 これからも​おもちゃ作家として生涯おもちゃ作りを楽しみながら続けていく。きっとその姿は自分の知らない間に少しずつ種を撒いていくことになる。その種は様々な場所で花が咲く。そうした繰り返しの中でアトリエは進化する。そして、訪れる人々との対話や遊びを通して、自分の進化だけはなくアトリエに来た全ての人が足を運ぶ度に「成長と発見」を感じ、共に進化していきたい。

CC BY-NC-ND 2024 TEDxSapporo
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